2024年1月1日16時06分、石川県能登地方を震源地とするマグニチュード5.7震度5強の揺れを観測し、同日16時10分にはマグニチュード7.6震度7の揺れを観測。直ちに災害医療派遣チームは招集し18時30分、医療物資、食料、水2L×700本を積み込み能登半島へ向けて出動。

  

【写真】崩壊した道路

【写真】輪島市門前町

翌1月2日11時頃に震度7を記録した石川県志賀町役場へ到着。被害状況を確認し石川県輪島市が甚大な被害を受けているとの情報があり輪島市に向けて移動を開始、いたるところで地震による崩壊や土砂崩れなどにより道路は寸断され移動に困難を極め、幾度となく迂回を繰り返し16時頃に輪島市門前町に到着。当初、輪島市街地を目指していたが輪島市街地までの経路はなく、また門前町庁舎での状況確認で門前町も甚大な被害を受け支援体制は十分でない状況であったため現地での災害医療支援を行うことを決定

【写真】崩壊した道路

【写真】崩壊した道路

16時10分、被害者捜索チームと避難所巡回チームの2チームに編成し門前町より依頼を受けた8か所の避難所を巡回しながら健康観察、医療支援、情報収集を開始。16時30分ごろ、避難女性より「自宅崩壊で埋もれたままの70代の父親がいる。警察、庁舎、消防などへ連絡するがそのままの状態でいる助けてほしい」との訴えあり。家屋は1部鉄骨の木造2階建てであったが、鉄骨に支えられている部分だけ残り木造部分は2階部分に押しつぶされて斜めに倒壊している状況であった。

【写真】捜索依頼を受けた倒壊家屋

【写真】捜索依頼を受けた倒壊家屋

医師を含め男性隊員6名で倒壊家屋での捜索を開始、残りの隊員で避難所の巡回を再開。倒壊家屋での捜索は余震が続き危険な状況ではあったが、隊員同士の注意喚起と時には捜索を中断しながら最善の注意を払い捜索活動を行った。

【写真】避難所の様子

【写真】避難所の様子

巡回依頼を受けた避難所では1か所に50人から350人の避難者がおり、水や防寒具、食料など足りておらず、地震による負傷者や体調不良者もいたが、支援は十分ではなく、自らも被災し避難所に避難していた看護師や教員が必死に避難所を管理している状況であった。その貢献には尊敬の念に堪えないものであった。

【写真】避難所の様子

【写真】避難所の様子



飲料水として2L×300本 防寒具としてアルミブランケットを200人分配給し、負傷者や体調不良者は医師による診察後、縫合、創傷処置、内服処方を行った。23時倒壊家屋の情報を受けた自衛隊員が倒壊家屋現場に到着、情報共有を行った後、雨による2次災害も考慮し捜索活動を終了、避難所巡回も終了したため、その日の災害支援チームの活動を終了した。

【写真】避難所での支援の様子

【写真】避難所での支援の様子

1月3日7時より活動再開。医師を含めた男性隊員6名で倒壊家屋の捜索を再開、残りの隊員は2組のチームに分かれ、新たに依頼を受けた避難所への巡回と輪島市街地への経路探索を行った。
倒壊家屋での捜索は天候にも注意を払いながら行ったが、12時に捜索していた男性を遺体で発見し家族と共に父親であることを確認、倒壊の危険があるため無理に収容せず門前町庁舎へ報告することとした。
13時に別の避難男性より「90代の母親がいない。逃げ遅れて倒壊した家屋にいるはず」と訴えあり。倒壊家屋へ案内してもらい直ちに捜索開始。倒壊家屋は木造2階建てでやはり1階部分が倒壊し2階部分に押しつぶされている状況であった。息子より情報を得た場所を重点的に捜索するが、母親は見つからずに捜索は難航していたが、15時頃息子より「避難所に母親がいた」と報告あり捜索活動を終了。
倒壊家屋で発見した男性は16時に自衛隊の協力のもと収容し、ご遺体を指定の遺体安置へ搬送した。
巡回した避難所では健康観察、情報収集を行い、体調不良者は医師による診察後内服処方を行った。
18時門前町庁舎で行われる対策会議への出席の依頼があり、そこで活動報告と情報共有を行い、新たに5ヵ所の避難所への翌日の医療支援の依頼を受けた。
1月4日新たに依頼を受けた5ヵ所の巡回に隊員全員が同行し、健康観察、診察、創傷処置、内服処方、感染対策指導、排泄介助、水の配給等を行い、午後より「日本環境感染学会」の「避難所での感染対策チーム」の委員長として被災地入りされていた長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 臨床感染症学分野 教授 泉川公一先生に同行いただき2ヵ所の避難所を視察し感染対策指導を行っていただいた。

写真】避難所での支援の様子

【写真】避難所での支援の様子

まだまだ支援体制は整っているとは言えない状況ではあったが、持参した水2L×700本、降圧薬や感冒薬などの内服薬、ガソリンなどの燃料、食料のほとんどが底を尽き、活動の継続が困難であると判断したため18時に撤収し、災害支援活動を終了した。
 この度の震災によって被害を受けられました皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災された皆様の一日も早い復旧と復興をお祈りいたします。

医療法人栄和会 泉川病院