2016年 熊本地震災害での活動報告

2016年4月14日夜発生した熊本地震震度7観測から約3時間後の0時30分、当災害医療チームはトラックなど車3台に、医療物資、食料、飲料水、テントなどを積み病院を出発し、震源地の熊本県益城町へ向かいました。午前4時30分現地へ到着後、すぐに被災者の救助や被災地状況確認、避難所回りを開始する。

写真1 写真2
  【写真】益城町倒壊家屋   【写真】益城町倒壊家屋

翌日4月15日夕方には電気の復旧もあり、避難されていた被災者の方々の多くは自宅へ帰宅するが、その数時間後4月16日午前1時、本震となる2回目の震度7が益城町を襲った。一帯は電気が途絶え暗闇になり、プロパンガスが倒れガスの臭いが周囲に充満。倒壊した際の砂煙によりライトで照らしても視界は40~50メートルしか得られませんでした。当チームは訓練通り数人の班に分かれ、倒壊した家屋などから被災者の救出。消防隊員や住民からの助けを求められ、倒壊家屋に埋もれた住民をさらに発見。救出困難な状況のなか、福岡県警機動隊員20名と合流し救助を行う。さらに救出活動と平行しながら、トリアージ、診察、治療、搬送を同時に行いました。その後も数か所にて機動隊員、警察官と連携し余震が続発するなか救助活動を行い、合計5人の方を倒壊家屋から救出。十数名の方の創傷処置、内服処方、点滴等の医療行為を行いました。損壊・倒壊した家とがれきに囲まれたなかでの医療支援は恐怖と緊張の連続でありましたが、後にチームメンバーと合流し安否確認できたので安堵いたしました。その後、急性期の活動を終え、一時帰院となりました。

写真3 写真4
  【写真】救助活動   【写真】テントでの被災者への治療

その後、災害規模も大きく災害派遣医療チーム(DMAT)だけでなく都道府県医師会より日本医師会災害医療チーム(JMAT)への要請があり、当チームは4月19日から3日間の予定で、再び同町で活動。
4月19日より益城町のクリニックの駐車場の一部を借りて、テントを設日中は主に拠点テントでけがを負った被災者の治療に従事。
災害本部より被災住民の健康管理や物資が不足している地域の情報提供に基づき、避難所と周辺地域を巡回し、生活用水、災害用医療品、飲料水(2L)120本など提供しました。

写真5 写真6
  【写真】避難所巡回   【写真】物資提供

震災後、被災者の方が熊本県益城町から御礼のため泉川病院へ来院され、「熊本地震で家屋が倒壊し、復旧には時間がかかりますが、新しい家が出来た時には遊びに来て下さい」と前向きで元気な姿を見せられる。そのほか福岡県警察第一機動隊からお礼の手紙も頂きました。
この度の熊本地震災害によって被害を受けられました皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災された皆様の一日も早い復旧をお祈りいたします。

写真1
【写真】益城町から御礼のため来院されました。

医療法人栄和会 泉川病院