2023年 石川県能登半島地震災害での活動報告

2023年5月5日 14時42分 石川県能登半島地方で震度6強 MT6.5の地震発生との一報あり。当災害医療チームはただちに発生状況、被害情報の確認を行い、5月6日深夜1時、車輌3台で震源地の石川県能登半島へ向けて出動。

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(写真左:倒壊家屋1) (写真右:倒壊家屋2)

5月6日16時30分 現地へ到着後、珠洲市役所へ状況確認。災害対策本部より会議への参加依頼があり、地震後初めて行われた災害対策会議へ当災害医療チームも参加。
災害対策会議で20ヵ所の避難所を開設したが、そのうち7ヵ所の避難所が天候の悪化や土砂災害特別警報発令などのため、状況の把握や十分な支援ができていないとの情報があり、当災害医療チームが7ヵ所の巡回を行うことを提言し、災害対策本部より依頼を受け巡回開始。

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(写真左:災害対策本部会議1) (写真右:災害対策本部会議2)

徐々に雨脚は強まり余震も頻回に発生する中、当チームは進行に細心の注意を払いながら巡回予定7ヵ所の避難所へ医療支援、および2Lペットボトル180本等の物資支援を行った。
避難所は広範囲に開設されており、巡回予定の残り2ヵ所の避難所は崖崩れにより道路が寸断され通行困難な状況。なんとか残された2ヵ所の避難所へ辿り着きたいとの思いで、土地勘がない場所で悪戦苦闘しながらも迂回路を探し避難所へ向かっていたが、災害対策本部の巡回中止の指示にて巡回を断念。(2ヵ所の避難所には電話にて状況確認し、救急を要する避難者がいないことを確認。)

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(写真左:巡回中の様子1) (写真右:巡回中の様子2)

5月7日9時より災害対策会議に参加し情報共有を行った後、前日巡回できなかった2ヵ所の避難所と、新たに開設された2ヵ所の避難所を巡回しながら医療支援と物資支援を開始。その後の巡回中の避難所では、今後も続くであろう余震に対し耐震上の問題があるとの判断から、新たに避難所を開設し移転することとなったため、他の災害支援団体と連携を図り、個人用テント、ファミリーテント、段ボールベッドを組み立て、60名規模の避難所の設営を速やかに行った。

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(写真左:段ボールベッドの作成様子) (写真右:避難所設営の様子)

5月7日15時 災害対策会議に参加し避難所の情報共有を行った。当初の災害対策会議と比べ、各種多くの災害支援団体が県内外から続々と集結し始め、災害対策本部の体制も整ってきたと判断したため、当災害医療チームの支援活動を終えた。
この度の震災に対し、一日も早いご復興を心よりお祈り申し上げます。

医療法人栄和会 泉川病院
災害医療派遣チーム