2019年 佐賀県武雄市豪雨災害での活動報告

2019年8月27日から29日集中豪雨をもたらす線状降水帯が発生。28日5時50分、気象庁は佐賀県、福岡県、長崎県に大雨特別警報を発表、各地で河川の氾濫や、市街地の冠水など被害が発生しました。

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 写真左:冠水したショッピングモール  中:店内  右:店内

当院災害医療派遣チームは27日から28日にかけて被害状況があきらかになっていくなか、佐賀県武雄市で冠水により、多くの方が孤立しているとの情報を受け、直ちに出動準備を開始。28日18時30分、当院を出発。速道路は土砂崩れにより一部閉鎖のため、迂回路を使用し現地へ。

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  写真左:冠水の中移動中   右:河川の氾濫で転倒した車両

21時、武雄市へ到着。武雄市役所から北方町が孤立し、永源寺に多くの避難者がいると情報を得て向かいますが、辺りはいたるところで冠水し、さらに停電により周囲は真っ暗で視界が悪く、ヘットライトの明かりを頼りに進みますが永源寺へとつながる道路は全て冠水していたため車輌による移動を断念。今年度新たに救助用ゴムボート6人乗りを使用して、4名の隊員が救急処置用のリュックを背負い永源寺へ向かう。

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  【写真】救助用ゴムボート移動中
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  【写真】冠水した市街地

永源寺23時到着。避難者は108名。体調不良を訴える方は幸いにしていませんでした。避難されている方に避難状況などの情報収集。別の避難所北方保健センターへ。同避難所には避難者30名ほどおられ、健康チェックとバイタルチェックを行い、急な非難の為薬が不足している避難者には診察と処方を施行。さらに避難所の物資が不足したいたため、非常食・水・カセットコンロ等を提供。また、歩行困難な高齢者2名を含む家族6人を、レスキュー隊と連携し北方保健センターに搬送し収容しました。
次の避難所北方中学校では負傷されている方の診察・処方を行い、その後は冠水している順天堂病院を含めた大町町周辺を探索。29日早朝まで行い一時終了。

29日は朝8時から2日目の活動を開始。永源寺と北方中学校を含む避難所全てを巡回し、医療支援や物資の提供を行い、朝日町にあるクリニックにて床上浸水し診療が行えないとの連絡を受け、施設復旧のための清掃を行い、目的である急性期支援を終え、数日間の活動を終了しました。

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  写真左:冠水した美容室   右:河川の増水

ここ数年、豪雨による災害が続いています。当チームでは、“備え”を日頃から行っていたことで非常事態に対応することができましたが、日常生活も同様で、常に非常事態に備えておくことで自分の命を、そして家族の命を守ることができると考えています。
この度の豪雨災害によって被害を受けられました皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災された皆様の一日も早い復旧と復興をお祈りいたします。
泉川病院ではこれからも医療だけではなく、皆様が安心できるような 活動を行い、できる限り多くの地域の方々をお守りすることができるように、今後も努力していきたいと思っています。

医療法人栄和会 泉川病院